オリンピック体操、萱選手が銅メダル!
こんにちは、たかひこです。
オリンピック体操で
萱選手が銅メダルを獲得しました。
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オリンピック 体操 萱和磨“失敗しない男”がつかんだ銅メダル
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終了後のインタビューで
『今すぐにでも練習をしたい!』
と話をされていたのが
印象的でした。。
20代の頃、
私も技術コンテストに
出ていたときがありました。
角刈りのコンテストです。
角刈りという形には
カットする技術者の個性が出るもので、
私は師匠の独特な角刈りが
とても好きでした。
一般的な角刈りは
『ザ・四角!!』みたいな角刈りですが
師匠の角刈りは『角丸』な形でした。
四角のようで円く、
円のようで四角い・・・。
とても品のある上質さが
あふれ出るカットでした。
『いつかあんなカットが
出来るようになりたい!』
そう想いながら
まずはシャンプーやお顔そりなどの
技術をトレーニングしました。
そうして基本的なカットを学んだ後
ようやく角刈りを学ぶ時期が来ました。
しかし、
現実は甘くはありませんでした。
丸い頭に四角い髪型を作るというのは
どうしても出来なかったのです。
何回、何十回切っても
丸くなってしまいました。
失敗するたびに仕事をしながら
師匠のカットを盗み見ました。
『なぜあの形になるのか?』
見ては試し、試しては見る。
そんな時、
角刈りのコンテストがありました。
普通は、
上手な人がコンテストに出ます。
でも、下手な私がコンテストに出れば
恥をかくだろう。
そうして自分を追い込む道を
選択しました。
結果は惨敗!!
というか最下位(;’∀’)
優勝した人の作品を見ると
その差は歴然でした。
悔しくて悔しくて
コンテストが終わったその日に
帰って来てからまた練習をしました。
そんなトレーニングを
毎晩3年続けました。
仕事を終えた後に
トレーニングをするというのは
過酷です。
当時、
コンテストの練習は個人の時間にやれ!
というのが勤務再起の先の方針でしたので
仕事
↓
仕事の練習
↓
コンテストの練習
という流れでした。
なので角刈りの練習を始めるのが
夜の12時。
そこから2時間ほど練習をして
家に帰る。
休みの日には
朝起きるとお店に行き
誰もいないお店で
また練習をする。
自分の作った髪型のどこが悪いのかを
見ながらコンビニ弁当を食べる。
どこにも出かけず
ひたすらやり続けました。
そうして3年。
最初に出て惨敗した
コンテストにもう一度出場しました。
結果は・・・、
優勝!
そんなことを繰り返しながら
師匠の角刈りの形に少しでも近づきたくて
その後も練習を続けました。
トレーニングでは
ウィックと呼ばれる人形をカットします。
その人形の値段は1つ4000円~5000円。
一回切ればそれで終わり。
そんな練習を毎日3年。
当然、お金もかなり使いました。
洋服を買うのが好きでしたが
自分の技術を磨くためのお金を
ケチったことは今までに1回もありません。
全ては未来のお客さんのため!
そう想って少ない給料でしたが
どんどん投資しました。
人形のトレーニングと同時に
実際に人間をカットする練習もしました。
その中にはこんな方もいました。
その方は
修業先のお店の専属のモデルさんで
歴代の先輩がそのモデルさんを
切らしてもらっていた方でした。
その方は元々は
師匠がカットしていたお客さまでしたが
『若い子たちの為になるのであれば!』
という熱い気持ちから
私たちのような修業中の若者のために
モデルになって頂いた方でした。
私が修業先のお店を卒業するころ、
そのモデルさんからこう言われました。
『モデルになってオレの頭を
歴代の人たちが切っていった。
上手いとか下手とかは分からねぇ。
だけど、
佐藤君の切るカットが
今までカットされた中で
一番先生の形に近い気がするなぁ~。』
嬉しかった!
師匠のカットには遠く及ばないが
その言葉は本当に嬉しかった。
私にとって歴代先輩たちは皆、
偉大でした。
中には天皇陛下の髪を
切る人もいるほど。
こんな感じで私は
角刈りを覚えてきました。
現在、角刈りをするようなお客さまは
ゲインにはいません。
しかし、角刈りで培った
ショートスタイルのノウハウは
様々な所で必要なのです。
例えばこのような
フェードスタイルもそうなのです。
(※フェードとは
まわりを0.1mmという極端に
短い状態から徐々に長くしていくという
刈り上げの究極版のようなもの。)
↓
こういう髪型になると
技術のあるお店とそうでないお店の差が
かなり出ます。
で、
角刈りをやっていると
どのくらいのシルエットに
作れば良いかが一目で分かるわけです。
修業時代、師匠はいつも私に
こう言ってくださいました。
『眼力をつけなさい。』
眼力・・・。
つまり、見る力。
良いものを知らないと
良いカットは出来ない。
カットが出来るようになっていくと
どこがダメなのかが分かってくる。
その繰り返しで
見る目を養っていきます。
逆に言うとやってこなかった人には
絶対に分からないレベルです。
カット技術って
全てそうなのですが、
カットが出来るようになるということは
眼も肥えてくるということ。
なのでカットしながら
途中途中、鏡を見ながら
悪いところを瞬時に調整をしていき
仕上げます。
技術のないお店とあるお店の差は
こういう所にも現れます。
いかがでしょうか?
ゲインにはショートスタイルの
お客さまがとても多いです。
お客さまが多いということは
それだけ人のお役に立てている
ということだと思います。
きちんとした技術を持っている人には
必ずそれを支えているものがあります。
その土台の上にいくつもの技を
増やしていくことで
よりレベルの高い技術になっていきます。
あの時があるから
今がある。
これからもお客さまの役に立とう!
そしてもっと
かっこいいオヤジを作ろう!
それでは、また。