技術プロフィールその②ブロース(角刈り)
昨日のブログでオレのカットの技術の
バックボーンを書いた。
昨日の記事はこちら。
↓
今日もこの続き。
昨日の記事でオレの技術は
弟子入りしたところから始まったと書いた。
で、この弟子入りした先生というのが
フォーマルカットの巨匠なのだが、
ブロースカットでも有名だった。
ちなみにブロースという髪型は
角刈りのことである。
一口に角刈りと言っても
丸っぽい角刈りや
四角っぽい角刈り、
その中間の角丸な角刈りと
たくさんある。
角刈りという形には
カットする技術者の個性が出るもので、
オレの師匠の独特な角丸のブロースが
とても好きだった。
『いつかあんなカットが
出来るようになりたい!』
そう想いながら
まずはシャンプーやお顔そりなどの
技術をトレーニングした。
そうして昨日のブログでも
紹介したようなフォーマルカットを
学び、ようやくブロースカットを
学ぶ時期が来た。
しかし現実は
甘くなかった。
丸い頭に
四角い髪型を作るというのは
どうしても出来なかったのである。
何回、何十回切っても
丸くなってしまうのである。
失敗するたびに
仕事をしながら
師匠のカットを盗み見る。
『なぜあの形になるのか?』
見ては試し、
試しては見る。
そんな時、
角刈りのコンテストがあった。
オレは自分の腕を上げるためにも
そのコンテストに出場した。
結果は惨敗だった。
入賞にはかすりもしなかった。
優勝した人の作品を見ると
その差は歴然だった。
悔しくて悔しくて
コンテストが終わったその日に
帰って来てからまた練習をする。
そんなトレーニングを
毎晩3年続けた。
仕事を終えた後に
トレーニングをするというのは
過酷だった。
当時、コンテストの練習は
個人の時間にやれ!という
お店の方針だったので
仕事
↓
仕事の練習
↓
コンテストの練習
という感じだったので
角刈りの練習が始めるのが
夜の12時だった。
そこから2時間練習をして
家に帰る。
休みの日には
朝起きるとお店に行き
誰もいないお店で
また練習をする。
出来上がった作品を見ながら
コンビニで買ってきた
弁当を食べる。
どこにも出かけず
ひたすらやった。
そうして3年。
最初に出て惨敗した
コンテストにもう一度出場した。
結果は・・・、
優勝だった。
そんなことを繰り返しながら
師匠の角刈りの形に少しでも
近づきたかった。
トレーニングの中には
ウィックと呼ばれる人形をカットする。
その人形の値段は一つ4000円。
一回切ればそれっきり。
そんな練習を毎日3年。
当然お金もかなり使った。
洋服を買うのも好きだったが
自分の技術を磨くためのお金は
今までケチったことはない。
全ては自分のため。
全ては未来のお客さんのため。
そう想って少ない給料だったが
どんどん投資した。
人形のトレーニングと同時に
モデルさんという人間の髪を
切らしてもらうトレーニングもする。
修業先のお店の専属のモデルさんで
歴代の先輩がそのモデルさんを
切らしてもらっていた。
その方は元々は
師匠がカットしていたお客様だったのだが、
若い子たちの為になるのであれば!
という熱い気持ちから
オレたちのような者に
モデルになってくれたのだった。
オレが修業先のお店を卒業するころ、
そのモデルさんからこう言われた。
『モデルになってオレの頭を
歴代の人たちが切っていった。
上手いとか下手とかは分からねぇ。
だけど、
佐藤君の切るカットが
今までカットされた中で
一番先生の形に近い気がするなぁ~。』
嬉しかった!
師匠のカットには遠く及ばないが
その言葉は本当に嬉しかった。
オレにとって
歴代先輩たちは皆、
偉大だったから。
中には天皇陛下の髪を
切る人もいる。
こんな感じでオレは
角刈りを覚えてきた。
現在、角刈りにしている方は
年々少なくなっている。
しかし角刈りで培った
ショートスタイルのノウハウは
様々な所で必要なのである。
例えばこのような
フェイドスタイルもそうである。
(※フェイドとは
まわりを0.3mmという極端に
短い状態から徐々に長くしていくという
刈り上げの究極版のようなものである)
↓
こういう髪型になると
技術のあるお店とそうでないお店の差が
かなり出る。
で、
角刈りをやっていると
下の写真のように
↓
どのくらいのシルエットに
作れば良いかが一目で分かる。
師匠はいつもオレにこう言った。
『佐藤!眼力をつけなさい。』
眼力・・・。
つまり見る力。
つまり良いものを知らないと
良いカットは出来ない。
カットが出来るようになっていくと
どこがダメなのかが分かってくる。
逆に言うとやってこなかった人には
絶対に分からないレベルである。
やっていく過程で
カットする技術と並行して
見る目も養われる。
カット技術って
全てそうなのだが、
カットが出来るようになるということは
眼も肥えてくるのだ。
なのでカットしながら
途中途中、鏡を見ながら
悪いところを瞬時に調整をしていき
仕上げる。
技術のないお店とあるお店の差は
こういう所にも現れる。
いかがだろうか?
ゲインにはショートスタイルの
お客様がとても多い。
お客様が多いということは
それだけ人の役に立っている
ということである。
きちんとした技術を
持っている人には
必ずその技術を
支えているものがある。
その土台の上にいくつもの技を
増やしていくことで
よりレベルの高い技術に
なっていく。
明日はアイロンパーマという
技術について書こう!
現在の予約状況はこちら。
↓
7月1日から一部料金を改正致します。
詳しくはこちらをお読みください。
↓
本日も最後まで読んでいただいて
ありがとうございました。
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