高校2年生からの質問に現役理容師が本音で答えます。
先日ご来店の高校生のお客さまに
こんなことを聞かれました。
理容師と美容師って何が違うんですか?
一番の違いは”お顔そり”ですね。
”お顔そり”をやってもOKなのが
理容師。
NGなのが美容師です。
※法律としては・・・、
↓↓↓
化粧に附随した軽い程度の
「顔そり」は化粧の一部として
美容師がこれを行つてもさしつかえない。
↑↑↑
となっていますので
美容師が行ったからといって
罰則が科せられることはないとは思います。
理容師さんと美容師さんてどっちが多いんですか?
美容師さんの方が2倍以上多いですね。
じゃぁ、美容師さんの方が
人気ということですか?
そうですね。
美容師さんの方が人気です。
理容師が22万人に対して
美容師さんは52万人。
倍以上多いですね。
確かに、理容師さんて
お年寄りがやっているイメージだし
美容師さんは若いイメージがあります。
鋭いですね~。
おっしゃり通りで
理容師全体で見ると
70%の理容師は50歳以上です。
それがよく分かるのが
新しく免許を取る数の違いです。
一年間で理容師の新規登録人数は
1,500人くらい。
美容師さんは
2万人くらい。
そんなに違うんですね。
じゃぁ、
理容師さんの給料ってどうなんですか?
直球ですね(^_^;)
理容師の平均年収は
一般的な年収よりも低いです。
理容師の平均年収は
280万くらいです。
一般的な平均年収が460万と
言われていますので
明らかに低いです。
だから理容師さんになる人が
少ないんですか?
そうですね。
お給料が少ないのは
なる人が少ないのにかなり影響が
あると思います。
またなっても辞めてしまう人が
多いのも事実です。
なぜですか?
いくつかあります。
1番目は
『ブラックな体質』です。
さっきの年収が低い問題もそうですが
労働時間が長く、
休日が少ないというのが
一般的です。
どうしても技術を身につける職種なので
技術が身につかないことには
どうしようもありません。
そのため営業後や休日でも
練習や勉強をする必要があります。
2番目は
1,000円カットといった
低価格チェーン店の影響です。
1,000円カットのお店は
回転率重視のお店なので
比較的利益率が高いです。
そのため個人経営の理容室よりも
ややお給料が良いので
そちらに理容師が流れる傾向があります。
1,000円カットのスタッフの
デメリットは、
カットの仕上がりや接客を
求められるのではなく、
スピードを求められます。
そのため1,000円カットで
キャリアを積んでしまうと、
通常の理容室のカットのクオリティを
出すことが難しくなります。
スピード重視のため
お客さまと接する楽しさよりも
流れ作業のような状態になりやすいので
面白さを感じにくくなり
辞めてしまう方も少なくありません。
3番目は
一人前になるまでに時間がかかる
という問題です。
お顔そりやカットという技術は
とても難しく
お客さまにやれるようになるまでには
ある程度の年数が必要です。
4番目は
男性の方が美容室へ行くということ。
現在の20代男性の50%は
美容室に行っているというデータがあります。
また残りの50%の中には
さっきお話をした1,000円カットに行く方もいます。
その残りが一般理容室となるわけです。
なので何の特徴もないお店は
厳しくなっていく傾向があります。
今お話をした年収の低さと
4つの問題が
理容師が減っている原因だと
オレは考えています。
そんなに大変なのに
佐藤さんはなんでやっているんですか?
最初は嫌々でしたよ。
でもこの業界に入って
理容の仕事がいかに素晴らしい仕事かを
知ったのでやれるんですよ。
職種的に年収が低いって言っても
大卒ではないですし、
危険なお仕事でもないので
年収が低いのは当然ですよ。
問題はそこからどうするのか?
って話です。
努力次第でどうにでもなりますよ。
それに理容の仕事に終わりはありません。
カットの勉強はこれで良い!
という上限はなく
自分が追求すればするほど
上手くなります。
またカットばかりでなく
パーマやカラーリング、
ヘッドスパやお顔そり、
それにエステなど
理容の仕事の可能性は
たくさんあると思っています。
勉強すればするほど面白く
その努力がお客さんの笑顔で返ってくる。
最高の仕事だと
オレは想っています。
○○くんはこれから
どんな仕事に就くかは
まだ分からないけど
良い仕事に出会えると良いな~
と思います。
ぜひ、いろいろ見て
いろいろ調べて
そして体験して
お仕事を決めて下さい。
はい、ありがとうございます。