親父の背中〜その3

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親父の背中〜その2

 

 

 

 

 

(12月29日)

 

次の日、オレは数年ぶりに
18時間ぶっ通しのサロンワークをやった。

 

 

 

 

父にもしもの時があった時、
年末にご予約を入っているお客さまに
ご迷惑をおかけするわけにはいかない!!

 

 

 

そしてそれは
父も許さないだろう。。。

 

 

 

 

 

 

でも・・・、

 

 

 

 

 

カットをしながら
涙が止まらなかった。

 

 

 

お顔を剃りながら
シャンプーをしながら
涙があふれてくる。

 

 

 

 

プロ失格だな、オレ。
と何度も思った。

 

 

 

 

 

 

12月30日

 

 

 

 

 

 

仕事を早めに切り上げて
父のいる病院に向かった。

 

 

 

一昨日来た時には
目が開いていたのに

今回はずっと目を閉じていた。

 

 

 

 

 

 

時折やってくる痛みからなのか
顔をしかめている。

 

 

 

 

 

 

呼吸も荒く、下顎を使っている。

 

 

 

 

 

 

尿もほとんど出ていない様子。

 

 

 

 

そろそろだな
と、感じた。

 

 

 

 

ずっと頑張って来た親父。

 

 

 

 

 

 

 

最後は眠るように逝かせてあげたい。

 

 

 

 

今は、それだけだ。。。

 

 

 

 

 

 

 

父の手を握り
小さいころからの想い出を
一つ一つ語りかけた。

 

 

 

 

 

 

 

『お父さん、
オレが覚えている一番小さい時はね〜
幼稚園の運動会の時なんだよ。

 

 

 

お父さんが三輪車に乗って
オレが後ろから押したんだよね。

 

 

 

すごく重くて
すごく大きな背中だったな~。

 

 

 

 

でね、

その時、本当はお父さんは
ペダルから足を離して上げておかなくちゃ
いけなかったのに

 

ペダルに足を乗せたもんだから
足が引っかかっちゃったんだよね。

 

 

 

オレが後ろから
”お父さん!!何やってるのっ!!”

って笑いながら怒ってね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな事もあったね

 

って。。。

 

 

 

 

 

 

 

あとはね~、
父親参観にも来てくれたね。

 

 

 

 

 

竹とんぼを作ったんだよね。

 

 

 

 

お父さんが竹とんぼを作ってくれて
オレがマジックで色を塗ったんだよね。

 

 

 

作り終わってから
一緒に飛ばしたんだよね。

 

 

オレがやっても
ちょっとしか飛ばないのに

 

 

お父さんがやるとすごく高く飛んで
オレが

”お父さん、すごーーーい!!”
ってビックリしたんだよね。

 

 

 

楽しかったな〜

 

 

 

 

仕事も忙しかったのに
来てくれてありがとう。

 

 

 

お父さん、また明日も来るね!』

 

 

 

つづく。

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