あれから3年。絶望的な時間の後にやって来たもの・・・。

3年前の今日はオレにとって
生涯忘れることの出来ない日である。

 

 

当時、カミさんのお中には
二人目の子供がいた。

 

 

出産予定日は7月20日。

 

 

検診時に難しい出産と
言われたカミさんは

東京にある大きな病院に
出産予定日よりも2ヵ月前から
緊急入院していた。

 

 

患者さん3人につき
看護師さん1人がつく管理体制。

その看護師さんも全員が
助産師の資格を持つ。

 

 

一日の入院費は
7万円。

 

 

どのくらいの状態かは
想像がつくだろう。

 

 

担当医師との事前の面談により
帝王切開による手術日が決められた。

 

その日は7月1日。

 

 

自然分娩での予定日よりも
3週間早い予定だ。

 

 

そして手術のリスクの説明を受け
通常の帝王切開とは明らかに違うと感じる
緊迫した説明を受けた。

 

そしてオレはその日を
息子と二人で待っていた。

 

 

そんな中、3年前の今日は
朝から雨が降っていた。

 

朝一番のお客様を見送ったオレは
バックルームにある椅子に座った。

 

時間は9時42分。

 

次のお客様まで
あと50分ある。

 

そんなことを考えた時、
オレの携帯が鳴った。

 

画面を見ると
カミさんからだった。

 

 

『あれ?なんだろう?』

 

 

というのもカミさんとのやり取りは
このところメールばかりだったので
この時、違和感があった。

 

電話に出ると
『私、今日出産になっちゃった・・・。

(カミさんの泣いているのが分かった)

 

たかちゃん、今すぐ来れる?』

 

たかひこ

『分かった!すぐに行く!

○○(息子)は連れていくか?』

 

 

カミさん

『連れて来なくていいよ。

そんなに急がなくていいよ・・・。

どうせ会えないから。』

 

 

たかひこ

なっ・・・。』

 

出産なのに?

急がなくて良い・・・。

どうせ間に会えない・・・。

 

・・・。

 

・・・。

 

・・・。

 

 

オレは悟った。

 

 

 

死産・・・。

 

 

 

 

 

マジかっ!

 

 

今回の手術で
カミさんの身体にかなりのリスクが
ある事は医師から告げられていたので
覚悟はしていた。

 

 

しか、赤ちゃんの方は
心配していなかった。

 

 

それなのに・・・。

 

手術の予定日まで
あと3週間だった。

 

あと少しだったのに。

 

 

電話を切ったオレは
急いで身支度を始めた。

 

母親に
『○○(カミさん)から電話があった。
赤ちゃんダメかもしれないって!』

 

『何それ・・・。
あと少しだったのに!!!』

 

いつどうなっても良いように
車はいつでも出発出来るように
ガソリンは満タンにしていた。

 

必要な荷物もリュックにまとめていたので
すぐに行ける。

 

 

だけど・・・。

 

 

体がいうことを聞かなかった。

 

 

 

 

 

死産の話を聞いたオレは
全身が震えていた。

 

 

この状態で車の運転は無理だ!
そう判断したオレは
急きょ電車で行くことにした。

 

実家の台所に貼ってある
電車の時刻表を見た。

 

指をさしながら

「え~っと・・
10時台のスパーひたちは?」

 

「たかひこ!それは下りの電車だよ!」

 

動転していた。

 

急いで支度をして
母の運転する車に乗った。

 

大雨の中、
母の運転する車は水たまりを通るたびに
スピンしそうになった。

 

たかひこ
「お母さん!
電車の時間は余裕だから安全に!」

 

母の手も震えていた・・・

 

 

 

電車を待っている時間が
どうしようもなく長かった。

 

 

絶望な気持ちの中
2時間後、上野駅に着いた。

 

リュックを背負い
走ってもグラグラしないように
胸と腰のベルトも締めた。

 

 

靴ひもも締め直し
万全の状態で上野駅に着き
ドアが開いた。

 

全力で走った。

 

雨の影響で濡れた駅構内は
滑りやすかった。

 

 

転んだら元も子もない。
歩幅を狭く足の回転を速くすることだけに
集中した。

 

そして次の電車に乗り換えた。

 

 

そうして病院の最寄り駅である
錦糸町駅に着いた。

 

そこから病院に向かって
全力で走った。

 

 

もう間に合わないんだから
走っても意味がないのだが走った。

 

そう遠くない病院が
遠くに感じた。

 

もう胸と背中がくっつきそうな位
肺が苦しかった。

 

 

途中、すれ違う人たちが

 
何事だ???

 
みたいな感じで
オレを見ているのが分かった。

 

 

 

やっとの状態で
病院の入り口に着いた。

 

 

だが、
ここで疑問が!

 

『どこに行けば良いんだ?』

 

そう、どこに行けば良いのか
分からなかった。

 

病院の案内表示を見た。

 

手術室は4階だった。

 

当てずっぽうで
4階に向かった。

 

エレベーターでの
移動がもどかしい。

 

表示される階数を
見てようやくドアが開いた。

 

ドアが開き
最初の角を曲がった。

 

その時、手術室のドアが開くのが見えた。

 
『佐藤さんのご家族の方~?』

 

 

 

嫌な瞬間だった。

見たくなかった。

 

でもカミさんが9か月間
頑張った結果だ!

 

 

受け止めよう・・・。

 

そう想って返事をしたオレは
その看護師さんの所に向かった。

 

するとその後ろから
赤ちゃんの泣き声が聞こえた。

 
変なカプセルを押しながら
もう一人の看護師の姿があった。

 

 

看護師
『男の子ですよ~(^^♪』

 

たかひこ

『へっ??

 

生きてんの・・・?』

 

 

なんのことか
さっぱり分からなかった所に
カミさんの両親がやって来た。

 

 

今朝のカミさんとのやり取りを
カミさんの両親に話をした。

 

どうやらオレの勘違いだった。

 

カミさんの電話をもう一回思い返すと

カミさん

「私、今日出産になっちゃった・・・。
たかちゃんすぐ来れる!」

 

たかひこ

『なに!!

○○(息子の名前)も連れて行くか?』

 

カミさん

「いや、連れてこなくていい!
どうせ会えないから・・・。

 

たかちゃんも急いで来なくてもいいよ。
どうせ間に合わないから・・・』

 

つまり、こういうことらしい。

 

今から出発しても
手術が始まる前までには
間に合わないから
急がないでゆっくりでいい。

 

息子を連れて来ても赤ちゃんは
特別な病室に入るだろうから、

 

息子と赤ちゃんは会えないから
連れてくなくてもいい。

 

息子を連れてきても
カミさんの病室には入れないから
連れて来なくてもいい

 

ということだった

 

確かにカミさんの口から
赤ちゃんの命が
どうこうという話はなかった。

 

 

すべてはおれの勘違い!

 

赤ちゃんが手術室から出てきて
しばらくした後、
カミさんが出てきた。

 

『おつかれさまでした!
頑張ったね!』

 

と言った後、
今回の一連の流れを
カミさんや家族に話し

 

みんなで笑った。

 

あれから3年。

 

 

あの時の赤ちゃんが
何百人もの前で
しっかりと走った。

 

正面から我が子の写真を撮るため
待ち構えていたオレは
夢中でシャッターを切った。

 

オレの前を通り過ぎる横顔も
撮るつもりだった。

 

 

だが撮らなかった。

 

 

いや、撮れなかった。

 
あんなに小さな体だったのに
こんなにも大きくなって
懸命に走っている姿を
見ていたら、

声を出さずにはいられなかった。
通り過ぎる瞬間
カメラを持っているのを忘れた。

 

シャッターは切らなかった。

 

 

それよりもこの3歳の走りを
ファインダー越しではなく
オレの目に焼き付けることを
瞬時に選んだのだ。

 

立派に成長していく姿に
お父さんも頑張るよ!
と想う夜。

 

 

本日も最後まで読んでいただいて
ありがとうございました。

 

 

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