技術プロフィール⑤
こんにちは、たかひこです。
技術プロフィール5回目。
東京での修行生活を終えた
私は実家で働き始めました。
ちょうどその頃に学んだセミナーで
頭の形や髪という素材に向き合うことの
大切さを感じたころでした。
そう感じるとともに自分には長い髪を扱う
ベーシックな技術が足りないと痛感しました。
とは言っても
それまでも学んではいたのですが、
それは
カットスタイルをパターンとして
出来るようになっただけでした。
つまり
基本的な髪型は出来ますが
応用的なスタイルになったら
出来ませんでした。
どんな髪型にでも
応用が出来るためには・・・?
そんな感じで模索していました。
ちょうどそのころ栃木県宇都宮市で
あるカット講習が開かれるという
情報をつかみました。
詳しく聞くと
今の自分に足りない力を
養うにはこれだ!
と思い申し込みました。
このカット講習というのは
ただ受けるだけではありませんでした。
講習は毎月一回開催されるのですが、
受講後次の講習までに
前回教わったスタイルを
10スタイル作るという宿題がありました。
1カ月のうちに10スタイルというのは
かなりキツイ量でした。
3日に1スタイル作れば良い計算ですが
土日や休日を除くと
ほぼ毎日やるようになりました。
それもただ切ればいいのではなく、
カット前に紙と鉛筆を持ち
自分のやりたいデザインを紙に書き、
アウトライン(髪型の外郭)や
ウエイトポイント(髪型で一番ボリュームを出す所)を
事前に設定をし、
実際に狙ったスタイルの切る訓練をするのです。
狙ったスタイルに切るためには
パターン化された技術ではなく、
カットの原理原則を考え
緻密なコントロールが要求されます。
スタイルを作り上げると
今度はそのスタイルを写真に撮り、
プリントアウトをしてノートに貼る。
そして自分の反省点を書く。
これらのことを1カ月の間に
10回繰り返しました。
当然ながら朝から夜までは
サロンワーク。
トレーニングは深夜に。
修業時代と変わらない生活が
また始まりました。
そんな生活を2年間。
ずっと宇都宮に通いました。
この時のトレーニングが
今のカットスタイルに生かされています。
お客さまからよくこういう質問を頂きます。
お客さま
『たかひこさんは美容師さんですか?』
たかひこ
『いいえ違います。
美容師ではなく、理容師です。』
お客さま
『へぇ~そうなんですね。
なんか床屋さんて刈り上げとかは
得意そうだけど、
長い髪は出来なそうなイメージが
あるんですよね。
でも、たかひこさんは
長い髪型も作るから美容師さんなのかな?って
思っていました。』
確かに修業時代のカット技術であれば
短い髪型しか出来ませんでした。
私がこうして今、
様々なスタイルに対応できる力を
身につけられたのは
この宇都宮に通った2年間が
かなり大きいです。
この2年間は筋力トレーニングに
似ていました。
地道な積み重ねが
大きな力となりました。
このトレーニングと修業時代の
フォーマルカットや角刈り。
いくつもの奥義から
現在の私のカットスタイルがあります。
不器用でどうしようもなかった私に
本当に根気よく教えて頂いて
感謝の気持ちしかありません。
これらのことを積み重ねたおかげで
お客さまが髪型のオーダーの時に
『こんな髪型にしたいんです!』
と画像を見せて頂いた時に
瞬時にどのようにカットするべきかということが
分かるようになりました。
こういうきちんとした
カット理論やカット技術を
お客様さまサロンワークを通して
提供しています。
と・・・、
これで終わらないのが
ヘアデザインの奥深いところ…。
つづく。