どこから書けばいいのだろう。
そんなことあるの?
人間って、
びっくりすると声が出ないんだね。
今日は、そんなお話。
我が家の息子、
次男のやまちゃん。
やまちゃんに関しては
いろんなことが今までいっぱいあったけど、
今回ほど『すごいね。。。』を
連発して言ったことはなかった。
今から3年前、
やまちゃんが小学校2年生の終わり頃に
『野球をやりたい!』
と口にするようになった。
ちょうどそのころ長男のタイガは、
3年3ヶ月やっていた野球教室を辞めたころだった。
その時の様子。
↓↓↓
その後、
長男は近所のスポーツ少年団へ入った。
それを見ていた次男も
野球をやりたい!
と、オレに言うようになってきた。
そこで思い切って次男を
長男のいる野球少年団に入れたが
実際には難しかった。
そしてこの決断をした。
↓↓↓
長男がこの野球教室に通っていたころ
仕事を早めに切り上げたり、
お店をお休みにしたり、大変づくしだった。
そこから解放されて半年後に
また、この野球教室に今度は次男が入った。
『あ~またあの辛い日々が始まるのか。』
オレにとってこの送り迎えが
息子たちと話す貴重な時間の反面、
身体はキツかった。
片道30分の送迎に
途中で仮眠をしなければならないほど
キツかった。
それでも、やまちゃんの野球がしたい!
という思いに、
そしてオレが6年生まで絶対に連れていく!
という息子との約束だから
毎週必死でやってきた。
そんな野球教室から
先月の終わり頃、お知らせが届いた。
↓
『指導者の確保が難しくなり、
練習を2ヶ月間、休校にしたい。』
というお知らせだ。
オレは、
『突然、スクールを無くす!』
というと保護者からクレームが来るから、
指導者を探すと言って後から、
『探しましたが、見つかりませんでした。』
と言うのではと予想している。
子どもがやっていることを
後釜もいない途中で辞める指導者に
いらだちを感じながらも
人にはそれぞれの事情があるのだと
自分に言い聞かせた。
その後、しばらくしてから
保護者の中で
子どもの好きな野球をこんな形で
奪いたくない!
そう考えた保護者の中で有志者が
指導者を見つけてきて
10月と11月の2ヶ月間だけ野球をやって
スクールの再開を待とう!
と話が進んだ。
ありがたいお話だった。
確認はしてはいないが
メンバーを見ると、
次男よりも下級生がいるため
使用するボールは、
かたい軟式ボールではなく
ティーボールという
少し柔らかいボールを使うのだろうと感じた。
このティーボールを使う事が
次男には気になったようだ。
参加者の出欠席の締め切りが近づいてきたので
次男に聞いた。
たか
『ライオンズスクールが来月から2ヶ月間、
お休みするのは前に言ったよね。』
やまちゃん
『うん。』
たか
『○○君のお母さんが中心になって
スクールがお休みする2ヶ月間、
違う先生が来て教えてくれる
というのは前に言ったよね。』
やまちゃん
『うん。』
たか
『その締め切りが近いので
そろそろ参加するかどうか
返事をしないといけないんだけど、
お前はどうするの?』
やまちゃん
『行かない。』
(近くで聞いていた長男が)
タイガ
『はっ?お前何言ってんだ?』
たか
『そうか。
行かない理由は、何かあるの?』
やまちゃん
『ボールが嫌だ!』
たか
『確かに、あのボールは嫌かもね。
でも、お前は下級生よりも下手なんだから
この機会に一緒にやってみるのも
良い経験になると思うよ。
ホントに行かないの?』
やまちゃん
『うん、行かない。』
たか
『ボール以外に何か嫌な事とか
気になることはあるの?』
やまちゃん
『ない。』
たか
『ここで2ヶ月間、
お休みしちゃったら再開した時に
またさらに下手になっちゃう気がするけど
それでの良いの?』
やまちゃん
『うん。いい。』
タイガ
『お前、言っている意味が
分かってんのか?
お前・・・、
終わるぞ・・・。。。』
たか
『お前と話をしていると
”野球をやりたい!”という感じが
伝わってこないけど
お前、本当に野球をやりたい!
って思っているの?』
やまちゃん
『・・・。』
たか
『野球をやる、やらないは
お前が決めれば良いけど、
今回みたいなありがたい話をもらっても
やらないなら、
スクールが再開しても
やる必要があるのかな?』
やまちゃん
『・・・。』
たか
『今回の話を受けないくらい
やる気がないならば
スクールはもう辞めたら?』
やまちゃん
『辞める。』
タイガ
『お前、バカか??
お父さんに何言ってんだ??
言っている意味が分かってんのか!?』
たか
『えっ!ホントに言ってるの?』
やまちゃん
『うん。』
たか
『野球をやりたくないの?』
やまちゃん
『うん。』
たか
『辞めてどうするの?
学校から帰ってきて
いつものようにダラダラ過ごすだけじゃないの?』
やまちゃん
『うん、その方が良い。』
たか
『・・・。
・・・。
・・・。
お前の練習を見ていて
良い打球を打った時とか、
楽しそうに見えたけど
ホントは楽しくなかったの?』
やまちゃん
『・・・。』
たか
『スクールに行っていて
楽しいことって何かある?』
やまちゃん
『良いボールを打った時とかは
楽しい。』
たか
『嫌な時とかおもしろくない時はあるの?』
やまちゃん
『シャトルランみたいに走るのは
楽しくない。』
たか
『えっ、走るのが嫌だから辞めるの?』
やまちゃん
『うん。』
たか
『野球に限らず、卓球でもテニスでも
剣道でもブラスバンドでも
”走らない”というのは無いよ!
走るのが嫌だからやりたくない!
というなら何もスポーツは
できなくなっちゃうよ?』
やまちゃん
『うん、やらない!』
たか
『だってこの前の運動会だって
あのメンバーで1位になってたじゃん!
リレーに出る人より早いのに
それでも嫌なの?』
やまちゃん
『うん、嫌だ。』
たか
『それは、致命的だわ。
走るのが嫌ならば
どんなスポーツも無理だわ・・・。
野球の練習もホントは嫌なの?』
やまちゃん
『うん。』
たか
『じゃぁ、何で練習に連れて行って!
オレに言ったの?』
やまちゃん
『・・・。』
たか
『オレがそんなにヒマそうに見えるか?』
やまちゃん
『・・・。』
たか
『必死に予約をやりくりして、
月曜日の売上を減らしてでも
お前が野球をやりたい!
っていうから
オレはお前を連れて行ってたんだよ。
もう眠くて眠くてキツかったけど
お前との約束だから・・・、
オレとお前の二人の約束だから
この野球の送迎だけは何がなんでも守ってきた。
でも、やりたくなかったって
なんだよ、それ・・・。
お前は、この2年間、
オレの何を見てきたの?
お前、すごいね・・・。
お前は、
オレの送迎が当たり前だと思ってたの?』
やまちゃん
『・・・。』
たか
『オレ、お前に1回でも野球をやってくれ!
って頼んだことないよね?
お前がやりたい!って言ったから
今日までやってきたんだよね?』
やまちゃん
『うん。』
たか
『お父さんね、お父さんが小学校に入った頃
本当はサッカーをやりたかったんだよね。
でも、サッカーをやれる所は
となりの小学校だからできないって
考えたんだ。
お父さんのお父さんやお母さんは、
お前のじいちゃんやばあちゃんは
土日も働いていたしね。
今、考えればとなりの小学校なら
自転車で行ったって良いし、
お父さんのおじいさん、
お前のひいじいちゃんに言えば
車でいくらでも行けたのにね。
でも、小学校1、2年生のオレには
そんな判断ができなかった。
運動が好きだったから
やりたくてもやれないことが
すごく嫌だった。
小学校5年生になった時
一緒のクラスになったお友だちが
野球に誘ってくれたんだ。
で、そのお母さんが車で
オレの事も乗せて行ってくれるから
それで野球ができたんだよね。
嬉しかったな。
野球は下手だったけど
すごく楽しかったな。
で、今度は中学校に入ったら
柔道をやりたかったんだよね。
お前は理解できないかもしれないけど
お父さんはこう見えて
お相撲がけっこう強くてね。
小学校1年生から始めた相撲のおかげで
6年生の時は、けっこう大会でも勝てるようになってね。
背が小さいオレでも戦い方で
自分より大きい相手を倒すのが楽しくてね。
それで中学校では柔道をやりたいな!
と思ったんだ。
でも、お父さんの行った中学校には
柔道部がなくてさ。
今考えれば、入学前に調べておけば
柔道部がないなんてすぐに分かるのにね。
調べておけばとなりの中学校に
行けばできたのにさ。
そんなことがあったから
お前達にはずっと
”やりたいことがあったら言えよ!”
って言ってきたよね?』
やまちゃん
『うん。』
たか
『オレが小さいときにやりたくても
できなかった思いがあるから
お前達にはできるだけそんな思いを
させたくなくてね。』
やまちゃん
『うん。』
たか
『この前の7月に新しいユニホーム買った時に
やりたくないなら何で言わなかったのかな?
そしてその時に
夏用と冬用のアンダーシャツも買ったよね?
全部、
お前がやるって言うからだよね。
野球のベルトを買ったのもお前が
”ベルトが小さくてお腹がキツイから買って!”
って言ったから
一緒に買いに行ったんだよね?
ベルトを買ったのなんて
先週の話だよね?
全部、タダじゃぁね~よ。。。
オレが忙しくて野球の練習に
付き合うことができないから
もっと上手くなりてーなら・・・、
タイガとお前で二人でやり合えるように
と想って・・・、
マシンだって買ったよね?
タイガに高校でも野球をやるのか?
って聞いたら
”やる!”って言うし、
お前に中学でも野球をやるか?
って聞いたら
”やる!”って言うから
バカ高いバッテイングマシンや
ネットまでそろえただろ。
それ、知ってるよね?』
たか
『うん。』
たか
『バカ高いスクールの月謝も
お前が頑張るって言うから
1年分振り込んだし・・・。
全部、お前が言ったからだよね?
オレは、お前に野球をやってくれなんて
1回も頼んでないよね。
なのに・・・、
なんだよそれ・・・。
お前、すごいね。
すごいわ。
すごいとしか言えないわ。
もう、なんかお前の事が
理解できないわ。。。
お前がテニスをやるって言った時も
体験にも連れていったよな?』
やまちゃん
『うん。』

その後にお前が
『お父さん!やっぱりオレ、野球がしたい!』
って言うから
定休日を変えてまで
お前を連れていったよな?
(写真を見せながら)
これってお前がやるって言って
始まったんだよね?
↓

”走るのが嫌い!”
って言うけど
この時も嫌いだったの?


オレには、お前が楽しそうに走っているように
見えたけど、
全部、ウソだったの?
4年生の終わりにお前が泣きながら
読んだこの手紙は全部ウソだったの?


『お母さんとお父さんへ』
僕の将来の夢は、
プロ野球の舞台で活躍することです。
そのために頑張っていることは
たくさん練習をする事です。
今のうちに、肩を強くして
ボールを遠くまで投げれるように
したいです。
また、バッティングも
芯で当てられるように
たくさん練習を頑張ります。
そして、
僕のことを大切に育ててくれて
ありがとう。
いつも僕のことを考えて
一緒に学校の準備を手伝ってくれて
ありがとう。
いつも美味しいごはんを作ってくれて
ありがとう。
時々、美味しいデザートを作ってくれて
ありがとう。
時間がある時に
バッティングの練習や
守備の練習を手伝ってくれて
ありがとう。
一緒に練習をする時間が
とても嬉しいです。
これからも自分で立てた目標に向かって
一生懸命頑張るので
応援してください。
オレは、野球が好きだけど
だからと言って
子どものお前達に
野球を強制したことはないよね?
そして、
”兄貴が野球だから弟である
お前も同じ野球をやれ!”
って1回も言ったこともないよね?
オレは、お前が分からない。
なんかすごいね。。。
何を考えているか分からない。
だから言って欲しい。
今、お前の頭の中に
どんな言葉があるの?
ホントに分からないから
言ってほしい。
今、頭の中にある言葉はなに?
どんなことを考えているの?』
やまちゃん
『・・・。』
たか
『何もないか・・・。
野球を辞めるのは、良いんだよ。
やりたくないものを
やる必要はないしね。
勉強はやりたくなくても
やらせるけど、
野球は強制ではないから
やらなくて良いんだよ。
だからお父さんは全然怒ってないしね。
ただ、やりたくないものを
2年以上もやらせたのかという気持ち。
それを分からなかったオレ自身に
情けないという気持ち。
そしてお前が投げるボールも、
打つボールも
そのスイングもタイガよりも
はるかにすごい素質を持っているのに
残念だなという気持ちはある。
何回も言うけど
やるのは、お前だから良いんだよ。
決めるのはお前自身だしね。
でも、やりたくないなら
もっと早く言って欲しかったな。
お前が小学校を卒業するまでの
月曜、火曜日のお休みは
大好きなキャンプも全部
辞めてきたのに。。。
ついこの前、
来年のスケジュールを立てた時も
お前の野球の送迎を最優先で考えて作った。
大変だけど頑張ろう!
ってね。
お店のやりくりも必死にやってきた。
野球に対する環境もね。
だから
せめて早く言って欲しかったな・・・。
お前って野球の送り迎えをしても
オレに”ありがとう!”
って言ったことなかったよね。
今、思い返すと、
それが答えだったのかもしれないね。
いっぱいお前の野球にお金も時間も使ってきたけど
それ自体はある意味、
オレが選んだことだから
それは、仕方がないって思うよ。
でもね、こうして話していても
それだけのことをしてもらっていたのに
”ありがとう”
とか
”ごめんね”
とか言ってくれないのが
オレはただただ・・・、
さびしいな。。。
残念かな。。。
じゃぁ、もう遅いから
歯磨きをして寝なよ。』
やまちゃん
『うん。』
長文にも関わらず最後まで
読んでいただきありがとうございます。
親の心子知らず。
子育ては難しいですね。
おわり。